駐日セルビア共和国大使館では、「日本から見たセルビア」と題した講演シリーズの一環として、新たな講演会が開催されました。このシリーズでは、日本の人々がどのように、どの分野でセルビアからインスピレーションを受けているかを紹介しています。
今回の講演テーマは「JICAボランティアのセルビアでの生活」でした。主な講演者は寺澤晶子さんと酒井貴子さんで、加えて現在セルビアでプロジェクトに従事している大口海皇さん、竹渕泉さん、小川翔太郎さんがビデオ通話で参加しました。
寺澤さんは、ノヴィ・サドでの滞在中に取り組んだ活動を紹介しました。彼女はヴォイヴォディナ開発機構のプロジェクトに参加し、食品製品の品質管理や海外市場への輸出促進を目指したプロモーション活動に携わりました。
酒井さんは、ズラティボル観光機構で行ったプロジェクトについて語り、開発戦略の策定、プロモーション活動、日本関連イベントの企画に従事した経験を共有しました。
大口さんはスレムスキ・カルロヴツィ高校での日本語教師としての役割について、竹渕さんはベオグラードの障害者支援協会での活動について、小川さんはニシュの「キネジス柔道クラブ」で柔道指導者としての経験について発表しました。
また、全てのボランティアはプロジェクトや活動の他に、セルビアでの日常生活、人々からの温かい受け入れ、セルビアの人々の親切さやホスピタリティについても語りました。
講演の冒頭でアレクサンドラ・コヴァチュ大使は、現在セルビアへの日本からの投資が開発援助を超えていることを指摘しながらも、ベオグラードのJICA事務所が引き続き地域の発展と安定に貢献するプロジェクトに注力していることを強調しました。また、ボランティアの尽力に感謝を述べ、彼らが日本を代表するだけでなく、地元コミュニティやセルビア全体に貢献し、人々の心に印象を残していると評価しました。
講演後には、JICAの代表者、日本セルビア協会の役員、文化団体の代表者、大使館の友人などの出席者を迎えたカクテルレセプションが行われました。JICA中東・欧州部欧州課課長の中村恵理さんが乾杯の挨拶を行い、イベントを企画した大使館に感謝を表すとともに、JICAボランティアの活動がこのように評価される機会は稀であると述べました。