Printer Friendly Version 城西国際大学にてセルビア・日本二国間関係140周年記念シンポジウムを開催(2022/12/6) @ 8 December 2022 01:59 AM
 
駐日セルビア共和国大使館は城西国際大学との共催、日本セルビア友好協会後援下に、セルビアと日本の友好140周年を記念してのシンポジウム(対面/オンライン混合)を開催し、各関係機関や学術界の代表者たちが両国関係の起源や歴史について講演を行いました。
 
アレクサンドラ・コヴァチュ大使はシンポジウム冒頭の講演にて、セルビアと日本のようにその距離が非常に離れている国や国民の間で、それ以前の両者の接触や特別な関係が記録されてきた訳でもないにもかかわらず、長きにわたって友好関係を保ってきたことは、これほどまでに異なるアイデンティティを持つ国同士が互いを認め合い、その関係を維持してきた珍しい例であると評価しました。また両国関係の樹立から140年を経た今日、連帯の精神が両国民の友情を支え、各個人の勇気とビジョンがあらゆる領域での両国間の関係を深めてきたと言える、とも指摘しました。
 
両国間の初期の接触についてコヴァチュ大使は、1894年に日本の親王がセルビアを訪問した際に記録されたセルビアについての印象を紹介しました。そして、第一次大戦時に同盟国であった日本の人々がセルビア国民の苦しみへの共感や、セルビア軍の勇敢さへの尊敬の念を示したことに触れ、その具体的な例として、セルビア西部の街シャバッツとの姉妹都市関係が今年40周年を迎えた埼玉県富士見市の前身である水谷村の村長が、1915年にセルビアへの義援金を募るために住民に向けて書いた感動的な要請文を紹介しました。大使は「将来も両国の関係は友情に支え続けられていくものと信じている」との言葉で講演を締めています。
 
元駐セルビア大使で日本セルビア協会副会長の角崎利夫氏がモデレーターを務めたこのシンポジウムでは、城西国際大学の杉林堅次学長、元駐セルビア大使で日本セルビア協会会長の長井忠氏、城西国際大学教授の柴理子氏が登壇し、またリモートでベオグラード大学言語文学部教授の山崎佳代子氏が参加しました。
 
また在阪セルビア共和国名誉総領事の上山直英氏、翻訳家の山崎ヴケリッチ洋氏、元国際協力機構(JICA)バルカン事務所所長の黒澤啓氏からのビデオメッセージが上映されました。
 
セルビアの科学者、ニコラ・テスラの専門家である新戸雅章氏は、このシンポジウムにあわせて城西国際大学校舎のホールに設置されたテスラに関する展示の紹介を行いました。
 
会場ではテスラに関する展示のほか、1882年にセルビア国王ミラン1世・オブレノヴィッチと日本の明治天皇が交わした書簡のコピーや、大使館が所蔵するセルビアの民族衣装なども展示されました。
 
また日本セルビア協会は、セルビア産の製品や手工芸品、お土産品などの展示ブースを設けました。
 
対面とオンラインの混合で行われたこのシンポジウムの会場には、富士見市長や日本セルビア協会の幹部・会員、日本の外務省代表者、学界代表者、学生、市民たちが訪れ、成功裏に終了しました。