駐日セルビア共和国大使館において、セルビアがどのような方法や形で日本の個人にインスピレーションを与えているかを紹介する一連の講演会「日本から見たセルビア」の第1回が開催されました。初回のテーマは「視覚芸術から見た中世セルビア」で、メインスピーカーとして美術史家の嶋田紗千氏と漫画家の並木陽氏、辻八雲氏が登壇しました。 アレクサンドラ・コヴァチュ大使は挨拶の中で、この一連の講演会がセルビアと日本の友好関係140周年を記念する年に開始されたことを取り上げ、両国の関係は正に、遠く離れる互いの文化や全く異なるアイデンティティーに魅了された人々によって築かれ、深まっていったと語りました。 また中世セルビアの専門家である嶋田紗千女史が、セルビア南西部にあるユネスコ世界遺産「スターリ・ラスとソポチャニ」を構成するジュルジェヴィ・ストゥポヴィ(聖ゲオルギイの塔)修道院内のドラグティン王の礼拝堂のフレスコ画に描かれたネマニッチ王朝の家系をテーマに講演することに謝意を表しました。また嶋田紗千女史が参加し、昨年と今年、住友財団と上山直英セルビア共和国名誉総領事が社長を務める金鳥の資金援助によって実施された、前述のドラグティン王の礼拝堂のフレスコ画とヴェリキ・クルチュミル村の主の昇天教会のフレスコ画の二つの重要なフレスコ画修復プロジェクトの意義を紹介しました。 コヴァチュ大使はまた、並木陽氏と辻八雲氏がセルビア中世の美学から得た象徴性とインスピレーションをWeb漫画「フローラの白い結婚」に表現したことに対して謝辞を述べました。「セルビアの若者にも愛されている漫画が、互いの文化が出会い、交わる場となり得ることを発見し、嬉しく思います」と語りました。 講演の後には上山名誉総領事、住友財団の代表者をはじめ、文芸編集者や美術史家、作家、イラストレーター、漫画家、写真家、その他セルビアの文化や芸術を愛好する人々が集まり、カクテルパーティーが催されました。
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