駐日セルビア共和国大使館にて厳粛な雰囲気の中で行われた授与式では、セルビアと日本の間の協力と友好関係の発展・強化に特に貢献したとして、セルビア共和国大統領が明石康氏に贈呈したセルビア旗二等勲章がアレクサンドラ・コヴァチュ大使より授与されました。
コヴァチュ大使は、ブトロス・ガリ国連事務総長の旧ユーゴスラビア担当特別代表としての明石康氏の献身的な働きに対してセルビアは心からの感謝と敬意を表したいと語りました。明石氏は国連事務総長の特別代表を2度務めた唯一の日本人として、数十年にわたる不断の人道的・平和的活動により、日本と国際社会にその名を残したと讃えました。
大使は数日前に「国際中立の日」があったことに触れ、国連の重要な役割は和平交渉の条件や交渉のプラットフォームを確保すること、そして紛争の予防外交を行うことであると強調しました。その意味で、1994年から1995年までの任期中にボスニア・ヘルツェゴヴィナの各紛争当事者と意思疎通を図るという困難な任務を担った明石康氏の役割の重要さと、その任務を遂行するにあたって氏が国連の使命と任務の文言に忠実であったことが分かると指摘しました。
また四半世紀を経た今日、旧ユーゴスラビアの6カ国はそれぞれ主権国家として、激動の過去や未解決の問題、異なる考え方を克服しようと努力し、善隣的で平和的関係を育んでおり、明石氏はこれら諸国の協力と相互理解に多大に貢献していると述べました。
最後に大使は、「セルビアと日本の二国間関係140周年を祝う年に、明石康氏は、両国民と両国の友好関係の構築と深化に貢献した偉大な日本人の一人として記憶されることでしょう」と結びました。
授与式の後にはレセプションが開かれ、参加者の方々はセルビアのワインや料理に舌鼓を打たれていました。
また授与式冒頭の日本とセルビアの国歌吹奏ではフルート奏者の吉川久子さんとコントラバス奏者の三枝俊治さんが演奏され、お二人はレセプションでもセルビアの歌「あの彼方に」とセルビアでも非常に有名な日本の童謡「たなばたさま」、そして吉川さんが作曲された「セルビアの思い出」を演奏されました。
授与式には日本・セルビア友好議員連盟の逢沢一郎会長、ボスニア・ヘルツェゴビナのスィニーシャ・ベルヤン特命全権大使、東京都港区の武井雅昭区長、日本セルビア協会の長井忠会長と同協会幹部をはじめ、セルビアやその他の国の元駐箚大使や国際協力機構(JICA)の代表者、学術界およびメディアの代表者、大使館の友人の方々などが出席されました。
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